蚕都上田ものがたり

●元の年表はこちら ●蚕都上田ものがたり本サイトはこちら

本ページは上記年表のハイパーテキスト化を目指したものです。当ページの文章構造およびスタイルシートを除き、著作権は元の著作物に帰属します。
当ページは年表から一部抜粋しております。また原作者の意図を正しくくみ取ったものではありません。元の年表も合わせてご覧ください。
 以下、全ての文章、画像は年表からの抜粋です。

 「蚕都上田プロジェクト」では、かつて「蚕都」と呼ばれ蚕糸業で栄えた上田の歴史・文化を広く発信していく活動を進めています。上田ではこうした郷土史の研究・学習が盛んな一方で、「歴史って難しそう」と尻込みしている方もおられるようです。
 そんな方々に向けて、歴史を学ぶ楽しさを知っていただく“はじめの一歩”として、「蚕都」の歴史・文化に関わる人々や出来事の「物語」「年表」をご用意しました。様々な「ものがたり」を紡ぎだす歴史をあなたも発見してみませんか?

蚕都上田年表

昭和初期まで

1600~

蚕種・養蚕

上田縞・紬

・1604 幕府糸割符いとわっぷ制開始

・上塩尻村藤本善右衛門が蚕種製造販売を始める
●1655依田河原に大規模な桑園開墾(現カネボウベルプラザ付近)
●1706『宝永差出帳』上田藩領内村数80余中、養蚕66・桑栽培74
●1742千曲川の大洪水で沿岸蚕種製造壊滅(戌の満水)
●1757上塩尻村塚田与右衛門、行商用養蚕手引書『新撰養蚕秘書』挿絵入
●1797上塩尻村ほか信州蚕種仲間「神明講」設立。遵法・品質価格維持・相互扶助
●1814上田城の南、鴨池などを桑畑化(現アリオ上田付近)
●1832上塩尻村藤本家の蚕種取扱、信州産が奥州産を上回る
●1833日本初「蚕種商人制度書」制定
上田藩「信州上田産」ブランド化取組みで鑑札発行

上田産蚕種は良質であるのに、産地偽装やとりきめ逸脱がある(『原町問屋日記』)

・このころ結城藩、信州上田織工を招き紬の染色機織り技術を復興したという
・上田藩、地場産業育成。絹織物などを奨励したとされる
●1664記録初見「御上ヶ嶋(上田縞)」22反を藩買上げ(『原町問屋日記』)
●1684越後国高田へ紬縞の見本62種送る(藩主高田滞在中
●1688井原西鶴『日本永代蔵』に丈夫な上田縞の羽織登場
●1732『万金産業袋』上田縞として関東の亜流をあげ、品質劣ると指摘
・京都大丸の手代、上田紬買付のため毎年来訪
・奥筋(北信濃)の絹紬「上田産」扱で京へ出荷

1922大11 依田社の労働者6000名が東京見物。女性は揃いの着物

1870頃~

学都上田

商都上田

●1858 日米修好通商条約 大老井伊直弼・上田藩主老中松平忠固ら強行
●1869 明2スエズ運河開通

●1866上塩尻村 清水金左衛門、横浜視察。自書『養蚕教弘録』を仏人研究者へ手渡す。後翻訳され[仏・伊]で読まれる
●1874明7《県先駆け》上塩尻村「均業会社」養蚕・蚕種伝習生受け入れ
●1885明18山極勝三郎ら在京上小関係者「上田郷友会」 会報発行。現在も継続
●1892明25 「小県蚕業学校」開校《日本蚕学のパイオニア》初代校長三吉米熊。生徒17府県から
●1910明43 「上田蚕糸専門学校」設立《日本初官立蚕糸学校》初代校長針塚長太郎
●1916大5(-1930)「信州婦人夏期大学」別所村 常楽寺
・《全国波及》児童自由画・農民美術運動 神川村 金井正・山越脩蔵
●1919大8村青年会編集『塩尻時報』以降上小町村続々独自発行
●1919大8『蚕都新報』・1920大9業界紙『蚕糸』月間5000部
●1921大10《全国波及》生涯学習「上田自由大学」

1894 上田倉庫(現飯島商店)

●1877明10第十九国立銀行(上田町)佐久豪農商・黒沢鷹次郎らの出資
●1878明11第六十三国立銀行(松代)二代目吉池文之助が初代頭取

第十九国立銀行、第六十三国立銀行は1931昭6合併し八十二銀行となる

・1880明13塩尻銀行・1881明14上田銀行・1882明15依田銀行など
●1884明17《全国一》金融機関総数、銀行8・類似会社83
●1885明18《県唯一の蚕糸商況情報源》『銀行通信録』上田通信
●1885明18《県唯一の蚕糸商況情報源》『銀行通信録』上田通信
●1889明22下村亀三郎、丸子に器械製糸組合「依田社」設立
●1894明27《商用全国初・繭の乾燥保管》上田倉庫

「糸の町丸子」の隆盛

●1912大1下村亀三郎、初代丸子町長就任
●1913大2蚕業界の実力者工藤善助
依田社二代目社長就任し業務拡充

1913大2横浜生糸番付
①片倉組②山十③小口④依田社

1920大9絹業展覧会(ニューヨーク)へ
製糸優秀技能者3名選抜
信州依田社 中山 つね(25)
信州片倉組 吉野喜代野(26)
京都郡是製糸 中田ゆか子(25) (現グンゼ株式会社)

●1928昭3信濃銀行(上田町)第十九銀行に次ぐ資本金。金融再編により設立
・松坂屋・三越・高島屋、上田での出張販売好調。通販も

1930頃~

観光開発

●1929昭4別所温泉の旅館、全て内湯に
●1930昭5菅平PR。(スキー)シュナイダー招待成功し映像を記録
・塩尻村馬場直次郎ら映画撮影に協力(『絹代物語』など)(県下初のハーモニカ楽団も)

上田橋と右下に上田駅

現在の「蚕都上田」

◎伝統の継承◎

皇居御養蚕所における皇后御親蚕「小石丸種」/上田紬(小岩井紬工 房・まつや染織・藤本つむぎ工房・星野紬工房)/上田電鉄別所線/ 上田郷友会/上田東高校(旧小県蚕業学校)三吉米熊記念行事/信 州大学繊維学部(旧上田蚕糸専門学校)・東京農工大学(旧東京高等 蚕糸学校)・京都工芸繊維大学(旧京都高等蚕業学校)による三繊大 学交流/農民美術(山本鼎記念館・長野県農民美術連合会)/新上 田自由大学歴史学教室(猪坂直一命名)/菅平シュナイダー記念ス キー大会/信州上田フィルムコミッション・うえだ城下町映画祭/蚕 室づくり古民家再生/舞田館/蚕影信仰ほか

◎発展・研究開発◎

信州大学繊維学部(グローバルCOEプログラム「国際ファイバー工学教育研究拠点」日米欧[英]マンチェスター大、[米]ノースカロライナ州立大など国際ネットワーク構築・クモ糸遺伝子を蚕のゲノムDNAに組込む研究・附属農場で桑を栽培など)ほか

◎「近代化遺産」として◎

蚕業史料提供(藤本蚕業歴史館・笠原工業常田館・シナノケンシ絹糸紡績資料館・信大繊維学部資料館 同図書館・丸子郷土博物館・飯沼区古文書保管庫・上田市立博物館・上田市立図書館(花月文庫・藤廬文庫)・塩尻小学校郷土資料館・蚕都上田アーカイブなど)/学術研究(上田小県近現代史研究会・上田歴史研究会・横浜開港資料館・日本女子大学文学部・東北大学経済学部ほか団体・個人)/観光資源としての活用(長野大環境ツーリズム学部・信州上田フィルムコミッションロケ地観光ガイド)/蚕都上田プロジェクトほか

◎跡地利用◎

果樹園など(桑園)/丸子文化会館・元丸子町役場(旧依田社)/アリオ上田(鴨池桑園→旧鐘紡上田工場→日本たばこ)・カネボウベルプラザ(桑園→旧鐘紡丸子工場)/イオン上田店(旧山十組後継昭栄製糸)/上田西高校・信州ハム(旧県蚕業試験場)/西友上田東店(旧上田蚕種敷地)/元イトーヨーカドー・旧上田西武(旧上田倉庫)ほか